大きく変色したオーストリッチ革のバッグを、染めQのエスプレッソブラウンで濃い茶色へ塗り替えた実例です。

このバッグは母が気に入って使っていたものです。「このシミをどうにかできないか」と相談されたことが、染めQでリペイントするきっかけでした。この記事を最初に公開したのは2019年8月12日です。処分せずに使える状態へ戻すため、変色が目立ちにくい濃い色を選びました。

作業中の写真は残っていないため、この記事では実際に使った材料、作業順、現在ならどう判断するか、塗装前後の写真を整理して紹介します。

最初に確認:今回のオーストリッチ革では仕上げることができましたが、すべての革バッグへ同じように使えるという意味ではありません。現在の染めQ公式の素材適合表ではオーストリッチが明記されていないため、目立たない場所で必ず試してください。防水・撥水加工、特殊コーティング、油分を落とせない革、エナメルや爬虫類革などは使用できない場合があります。高価なバッグや代わりのない品は専門店への相談も選択肢です。

塗装前のバッグは大きく変色していた

正面だけでなく、背面や側面にも茶色から黒っぽい変色が広がっていました。部分補修では色を合わせにくい状態だったため、今回はバッグ全体を濃い茶色へ塗り替えています。

染めQで塗る前の変色したオーストリッチ革バッグ正面
塗装前の正面。広い範囲に変色があります
染めQで塗る前の変色したオーストリッチ革バッグ背面
背面も色むらが大きい状態でした
変色したオーストリッチ革バッグの側面
画像をクリック/タップすると元画像を開けます

今回使った染めQと下地用品

仕上げ色には染めQエアゾールのエスプレッソブラウン 264mlを使いました。元の変色が濃く、明るい色では隠しにくいため、濃い茶色を選んでいます。

塗装前は汚れと油分を落とし、十分に乾燥させることが重要です。専用品を使うなら染めQクリーナーが選択肢になります。

染めQクリーナー100ml

染めQクリーナー 100ml

染めQを吹く前の掃除・脱脂用。素材への適合を確認し、目立たない場所で試してから使います。

染めQベースコート264ml

染めQベースコート 264ml

濃い素材を明るい色へ変えるときの下地用です。今回のように濃い茶色で仕上げる場合は、必ず必要とは限りません。

実際に使用した染めQエスプレッソブラウン264ml

染めQ エスプレッソブラウン 264ml

このバッグで実際に使った色です。商品名・容量・色を確認して選んでください。

染めQでバッグを塗り替えた手順

1.素材と表面加工を確認する

同じ革でも、表面加工や油分の状態によって密着は変わります。染めQの現在の案内では牛革や合成皮革などに使える一方、使えない素材や特殊加工もあります。

オーストリッチは公式の適合表に明記されていないため、今回の成功例だけで判断せず、バッグの底など目立たない場所で色の変化と密着を確認します。

2.汚れと油分を落として乾燥させる

バッグの中へ紙などを詰め、塗装中に形が崩れないようにします。金具や内側など、塗りたくない部分は丁寧にマスキングします。

表面の汚れと油分を落としたあと、湿り気が残らないよう十分に乾かします。ここが不十分だと、塗料のはじきや密着不良につながります。

3.ベースコートが必要か判断する

当時は変色の差をそろえるためにベースコートを使いました。ただし、現在のメーカー案内ではベースコートは濃い素材から明るい色へ変える場合に使う下地です。

今回のように濃いエスプレッソブラウンで仕上げるなら、必須工程とは限りません。隠れ方を試し、必要以上に塗膜を厚くしない方がバッグの柔らかさを残しやすくなります。

ミッチャクロンについて:当時は密着を上げる目的でミッチャクロンも使いました。しかし、現在の染めQプライマーの案内はPPや金属などの難密着素材向けです。革バッグの標準工程としてミッチャクロンを必須とは考えず、現在の缶表示と公式案内を優先してください。

4.エスプレッソブラウンを薄く重ねる

缶をよく振り、最初から色を隠そうとせず薄く吹き重ねます。バッグの外で吹き始め、一定の速さで通過させてから止めると、一か所へ塗料がたまりにくくなります。

距離を数字だけで固定するのではなく、缶の表示を基準に、表面が濡れすぎたり垂れたりしない位置と速さへ調整します。縫い目や凹凸へ集中して吹きすぎると厚くなりやすいため、向きを変えながら少しずつ色をそろえました。

5.乾燥後に曲がる部分と色むらを確認する

塗装直後だけで判断せず、十分に乾燥させてから全体を確認します。持ち手、角、折れ曲がる部分は摩擦が多いため、使用を続ければ擦れや色落ちが起こる可能性があります。

「染めQなら絶対に割れない、剥がれない」とは考えず、バッグの状態と使い方を見ながら扱うことが大切です。

エスプレッソブラウンで仕上げた結果

黒っぽい変色と元の茶色の差が目立っていましたが、濃い茶色で全体をそろえることで、再び使える外観へ仕上げることができました。

リペイントから年数が経ち、バッグ自体には使い続けた分の消耗もあります。それでも現在も母はこのバッグを気に入って使っています。塗装直後にきれいになったことだけでなく、色を変えたことでお気に入りの物を手放さず使い続けられたことが、この作業で一番よかった点です。

染めQエスプレッソブラウンで塗り替えたバッグ正面
完成後の正面
染めQエスプレッソブラウンで塗り替えたバッグ背面
完成後の背面
染めQエスプレッソブラウンで塗り替えたバッグ側面
凹凸のある革も全体を濃い茶色へそろえました。画像をクリック/タップすると拡大できます

バッグを染めQで塗るときの注意点

  • 素材名だけでなく、防水・撥水・特殊コーティングの有無を確認する
  • 目立たない場所で、変色・ベタつき・密着を必ず試す
  • 汚れと油分を落とし、乾燥してから薄く重ねる
  • 元より明るい色へ変えるときはベースコートを検討する
  • 縫い目、角、持ち手、折れ曲がる部分へ厚く吹きすぎない
  • 換気し、火気のない場所で、缶に記載された安全上の注意を守る

まとめ

今回のオーストリッチ革バッグは、変色の差が大きかったため、染めQのエスプレッソブラウンで全体を濃く仕上げました。部分的に元の色へ戻すのではなく、濃い色へそろえたことが見た目を整えやすかった理由です。気に入っている物を手放さず、これからも使い続けるためのリペイントとして実行した事例です。

ただし、オーストリッチを含むすべての革で同じ結果になるわけではありません。素材と表面加工を確認し、目立たない場所で試してから進めてください。

染めQを使った別の作例は、エアフォース1のロゴを染めQで塗装した記事で紹介しています。

素材も塗り方も異なりますが、気に入った物を塗り直して使い続ける別の例として、キャリーバッグをハケとローラーでリペイントした記事もあります。染めQ以外でも、素材に合う塗料を選べば、こんなリペイントもできます。

素材適合や現在の製品情報は、作業前に染めQ公式の製品案内も確認してください。