缶スプレーでも、黄色の下地に黒い模様をラップで付け、その上から半透明のマホガニー色を重ねると木目調にできます。筆で木目を1本ずつ描く方法ではなく、ラップペイントの模様を木目に見せるやり方です。

この記事では、100円ショップのトレーへ実際に塗装したときの順番と、缶スプレーで垂らしにくくするコツをまとめます。最初から本番品へ吹かず、同じような素材や不要品で模様と色の重なり方を試すのがおすすめです。実験として色々な模様を試すのも、カスタムペイントの面白いところです。

缶スプレーで木目調ペイントをする動画

動画では、黄色の下地から黒い模様、マホガニー色を重ねて木目調に変わる流れを確認できます。

YouTubeで木目調ペイントの実演を見る

缶スプレーで木目調にする塗装の順番

  1. 素材を清掃・脱脂し、必要に応じて足付けや下地処理をする
  2. 黄色を薄く塗り重ね、木目の明るい下地を作る
  3. 黒をラップへ吹き、押し当てて木目に見える模様を付ける
  4. 黒い模様を乾かし、マホガニーのニススプレーを薄く重ねる
  5. 用途と塗料の相性を確認し、必要なら仕上げのクリヤーを重ねる
木目に見せるポイント:黄色・黒・マホガニーの3色を別々に見せるのではなく、最後の半透明色で全体をつなげます。黒の模様を付けすぎると暗くなるため、足りないところへ少しずつ追加します。

1.素材を清掃し、下地を整える

汚れ、油分、ワックス、浮いた古い塗膜は先に取り除きます。表面が滑らかな素材や古い塗膜が残る場合は、塗装する素材に合わせて研磨やプライマーを選びます。動画の作例では、表面を400番程度で足付けしてから進めました。

ミッチャクロンは幅広い素材へ使える密着剤ですが、どんな状態でも足付けや下地処理を省けるわけではありません。古い塗膜が弱い、表面に特殊な加工がある、素材が適合外という場合もあります。目立たない場所や同じ素材で先に密着を確認してください。

ミッチャクロン マルチ スプレー 420ml

ミッチャクロン マルチ スプレー 420ml

素材に合う場合の密着用プライマー。使用できる素材、乾燥時間、上塗り条件は製品表示を確認します。

2.黄色を薄く塗り重ねる

最初に黄色を塗り、木目の明るい部分になる下地を作ります。一度で隠そうとせず、薄く吹いて乾かす工程を繰り返します。缶スプレーは同じ場所へ止めて吹くと垂れやすいため、対象の外で噴射を始め、手を動かしたまま通過させます。

アサヒペン アスペンラッカースプレー 黄色 420ml

アサヒペン アスペンラッカースプレー 黄色 420ml

動画で木目のベース色に使った黄色。購入時は容量と色名を確認してください。

3.黒をラップへ吹き、木目の模様を付ける

黄色が乾いたら、丸めたりしわを付けたりしたラップへ黒を少量吹き、塗装面へ軽く押し当てます。黒を本体へ厚く吹いてからラップを当てるのではなく、ラップをスタンプのように使って少しずつ模様を置くと調整しやすくなります。

同じ向き・同じ間隔で押し続けると人工的に見えるため、ラップの向き、しわ、押す強さを変えます。濃くなりすぎた場所は触って広げず、いったん乾かしてから黄色や次の色との重なりを見て判断します。

アサヒペン アスペンラッカースプレー 黒 420ml

アサヒペン アスペンラッカースプレー 黒 420ml

ラップへ吹き、木目に見える濃い模様を付けるために使用しました。

4.マホガニー色を重ねて木の色へ近づける

黒い模様が乾いたら、半透明のマホガニー色を薄く重ねます。黄色と黒の上へ茶色の透明感が加わり、別々だった色が木目らしくまとまっていきます。

この工程も一度で濃くしません。吹くたびに全体を離れて見て、好みの木の色になったところで止めます。濃くしすぎると黄色と黒の差が見えにくくなるため、試し吹きで色の変化を確認してから本番へ進みます。

アサヒペン 油性ニススプレー マホガニー 420ml

アサヒペン 油性ニススプレー マホガニー 420ml

黄色と黒を木の色へまとめる半透明の仕上げ色。重ね塗りできる時間は製品表示を優先します。

5.必要に応じてクリヤーで仕上げる

動画の作例では最後にクリヤーを使いました。ただし、ニススプレーの上へ別系統の塗料を重ねる場合は、乾燥不足や相性によって縮み・しわ・溶けが起こることがあります。同じ素材の端材で組み合わせを試し、各製品の乾燥時間と重ね塗り条件を守ることが先です。

飾る物か、触る物か、屋内か屋外かでも必要な仕上げは変わります。クリヤーは必ず追加する工程ではなく、用途と使用した塗料の組み合わせで判断してください。

ホルツ クリアペイント A-4 300ml

ホルツ クリアペイント A-4 300ml

動画で使った仕上げ例です。下に塗った塗料との相性を端材で確認してから使用してください。

缶スプレーを垂らしにくくするコツ

缶スプレーを離して吹く距離の目安

缶スプレーは、一度に色を付けようとすると垂れやすくなります。距離を固定値だけで覚えるのではなく、噴霧の広がりと付き方を見ながら、薄い塗膜を重ねます。動画ではおよそ40cm離す目安も紹介していますが、製品、気温、対象の形で適した距離は変わります。

垂れにくくする動き 失敗しやすい動き
対象の外から吹き始め、一定の速さで通過する 同じ場所へ止めたまま吹く
薄く吹き、乾燥を待って重ねる 一度で色を隠そうと厚く吹く
試し吹きで噴霧と距離を確認する いきなり本番面へ吹く

垂れたときは、触らずに乾かしてから直す

垂れた直後に指や布で触ると、周囲まで崩れます。いったん作業を止め、塗膜が研磨できる状態まで十分に乾かしてから、盛り上がった部分を平らに研ぎ直します。その後、崩れた工程の色から薄く塗り直します。

乾燥時間は「その日のうちなら必ず大丈夫」とは言えません。塗った厚さ、気温、湿度、塗料の種類で変わるため、表面だけでなく中まで落ち着いてから研磨します。

安全のために:スプレー塗装は換気できる場所で行い、火気を近づけません。周囲を広く養生し、製品表示に合う保護具を使ってください。食器や食品が直接触れる物には、用途への適合が確認できない塗料を使わないでください。使い終わった缶の処分も地域と製品の表示に従います。

まとめ

木目調に見せる流れは、黄色の下地 → 黒をラップで転写 → 半透明のマホガニー色です。缶スプレーは焦って厚く吹かず、模様と色を少しずつ重ねれば調整できます。最初は100円ショップのトレーなどで試し、黒の入り方とマホガニー色で変わる濃さをつかんでから本番へ進めてください。