ファイヤーパターンをきれいに作るには、いきなり塗装面へラインテープを貼るのではなく、紙に描く→型を作る→ラインを貼る→塗装するの順に進めます。

私も最初からフリーハンドだけで全面を作るのではなく、紙で炎の流れを決め、半分の形を複製してからマスキングしています。この記事では、実際の6本の動画を工程へ対応させ、描き方から失敗部分の修正まで順番にまとめます。

先に全体の流れ:

  1. 紙にファイヤーパターンを描く
  2. 半分の形から型を作る
  3. 型をガイドに2mmのラインテープを貼る
  4. 塗らない部分をマスキングする
  5. ラインカラーとメインカラーを薄く重ねる
  6. 十分に乾燥させ、テープを剥がして必要な部分を修正する
ファイヤーパターン塗装の完成例
今回のファイヤーパターン完成例。クリック/タップすると元画像を開けます

ファイヤーパターンとは

炎をモチーフにしたカスタムペイントの定番パターンです。先端を細く伸ばした炎と、根元側の丸みやうねりを組み合わせて流れを作ります。

見た目は複雑ですが、最初から車体や作品へ直接ラインを引く必要はありません。紙で基本形を作り、型をガイドにすれば形を整えやすくなります。

ファイヤーパターン塗装に必要なもの

  • 紙、鉛筆またはペン
  • 曲線用のラインテープ(メイン作例では2mm)
  • 通常幅のマスキングテープ、マスキングシート
  • エアブラシまたはスプレーガン
  • 下地色、ラインカラー、仕上げる色
  • 使用塗料へ適合するクリヤー
  • 塗料に合う防毒マスク、手袋、保護メガネなど

メインのファイヤーパターン作例では、2mm幅の曲線用ラインテープを使っています。記事後半のスマホケースだけは、作品が小さいため1mm幅です。作品の大きさと欲しいライン幅に合わせて使い分けます。

ニチバン クリアーラインテープ No.536 曲線用 2mm 黄色

ニチバン クリアーラインテープ No.536(曲線用)2mm・黄色

メイン作例で使っている、カスタムペイントで定番の黄色い曲線用ラインテープです。スマホ作例は1mmなので、購入時は2mm幅を確認してください。

使用する塗料や希釈は、エアブラシ用塗料の選び方で整理しています。吹き付け圧力はエアブラシの圧力についてを参考にしてください。

安全確認:塗装は十分に換気できる火気のない場所で行い、塗料の注意表示・SDSに合う保護具を使います。刃物で型やマスキングを切る場合は、塗装面を傷つけないよう別の作業台で行い、刃先の進行方向へ手を置かないでください。

ファイヤーパターンのやり方

1.紙に炎の基本形を描く

最初に紙へファイヤーパターンを描きます。紙の上で形を作れないまま、細いテープだけで流れを整えるのは難しいためです。

  • 炎の先端は細く長くする
  • 根元側には丸みをつける
  • 同じ形を等間隔で繰り返しすぎない
  • 大きい炎と小さい炎を混ぜる
  • 全体の流れを一方向にそろえる

最初から複雑にせず、2~3本の炎で基本形を作ると練習しやすくなります。

ファイヤーパターンの描き方と形のコツ動画

その1:炎の描き方と形のコツ(10分29秒)

紙へ描く手の動き、炎の先端と根元のつなぎ方を確認できます。最初に見る動画です。

YouTubeで描き方を見る

2.半分の形から型を作る

基本形を半分だけ描き、紙を折る、写すなどして反対側へ複製します。基準になる形があるため、全面をフリーハンドで作るより間隔を整えやすくなります。

左右を完全に同じにすることが目的ではありません。最初の基準を作ったあと、作品の形に合わせて炎の長さや流れを調整します。

ファイヤーパターンの型を複製する動画

その2:半分の形から複製する方法(5分19秒)

半分だけ描いた形を使い、間隔を整えた型へする流れを確認できます。

型の複製方法を見る

3.型をガイドに2mmテープを貼る

作った型を塗装面へ合わせ、形を見ながら細いマスキングテープを貼ります。

  • テープを強く引っ張りすぎない
  • 急な角を作らず、滑らかにつなぐ
  • 先端は一度に曲げず、少しずつ向きを変える
  • 交差部分と先端に浮きがないか指で押さえる
  • 小さなずれより、全体の流れが自然かを優先する

細いテープは曲げやすい一方、引っ張りながら貼ると戻ろうとして浮く場合があります。力で形を固定せず、テープが自然に沿う範囲で曲線を作ります。

ファイヤーパターンのラインマスキング動画

その3:ガイド作りとラインマスキング(8分27秒)

下書きした型をガイドにして、ラインテープを貼る位置と手順を確認できます。

ラインマスキングを見る

4.塗らない部分をマスキングする

ラインが決まったら、塗料を入れたくない側をマスキングします。炎の先端とテープが重なる部分は隙間ができやすいため、吹く直前にもう一度押さえます。

一枚で全面を覆おうとするより、小さなマスキングテープやシートを組み合わせた方が複雑な形へ合わせやすくなります。どちら側を塗るか分からなくならないよう、塗装する側へ印を付けておく方法もあります。

5.ラインカラーとメインカラーを塗る

この作例では、ライン部分の色を作ってからメインカラーを重ねています。最初から隠そうとせず、テープ際へ薄く吹き、状態を確認しながら色を重ねます。

  • 最初の1回は薄く吹き、テープ下への吹き込みを抑える
  • 正面から強く当て続けず、テープの境目へ塗料をためない
  • キャンディカラーは重ねるほど濃くなるため、左右の回数と順番をそろえる
  • 塗料の乾燥後の色も考え、試し板と比べながら止める
ファイヤーパターンのラインカラーとキャンディペイント動画

その4:ラインカラーからキャンディペイント(6分05秒)

エアブラシの距離、吹く方向、色を重ねる順番を動画で確認できます。

YouTubeで塗装工程を見る

6.乾燥させてからテープを剥がす

塗料の状態を確認し、ラインテープを塗装面に対して低い角度でゆっくり剥がします。乾燥時間は一律ではないため、使用した塗料と気温、塗膜の厚さを確認してください。

今回の動画では、先を急いで乾燥が足りない状態で進めたため、マスキング跡が残る失敗がありました。編集で順番を変えて隠すのではなく、その原因と修正も別動画に残しています。

ファイヤーパターンの乾燥不足による失敗と修正動画

修正編:乾燥不足による失敗と直し方(3分28秒)

焦って進めたことで残ったマスキング跡と、その後の修正を確認できます。

失敗箇所の修正を見る

ラインのにじみ、小さな吹き込み、色の薄い部分を確認し、必要な場所だけ修正します。最後に、使用した塗料へ適合するクリヤーで保護します。

ファイヤーパターンで失敗しやすいポイント

症状 主な原因 見直すこと
炎の形が不自然 テープだけで直接作った 紙で下書きし、全体の流れを決める
左右の間隔がそろわない 基準になる型がない 半分の形を複製してガイドにする
テープが曲線で浮く 強く引っ張りすぎている 自然に沿う範囲で少しずつ曲げる
塗料がテープの下へ入る 境目の浮き、最初から厚く吹いた 境目を押さえ、最初は薄く吹く
色の濃さが部分ごとに違う 吹く回数や順番が違う 左右を同じ順番で重ね、試し板と比べる
マスキング跡や塗膜の欠け 乾燥不足、厚塗り、剥がすタイミング 塗料に合う乾燥時間を取り、低い角度で剥がす

小さい作品へ応用するときのコツ

スマホケースなど小さい面へ施工する場合は、炎の本数を減らし、細いテープで大きめの流れを作ると見やすくなります。細部を詰め込みすぎると、マスキングも塗装も難しくなります。

スマホケースへ施工したラメ入りファイヤーパターン
1mmテープを使った小さい作例。クリック/タップすると元画像を開けます

この作例では下地にラメを使っています。ラメ下地から作りたい場合は、フレーク塗装・ラメ塗装のやり方も参考にしてください。

スマホケースへラメ入りファイヤーパターンを塗装する動画

応用編:スマホケースへの施工例(6分34秒)

下地へラメを入れ、1mmテープで小さいファイヤーパターンを作る流れです。

スマホケースの施工例を見る

電子機器へ施工するときは、本体へ直接塗料を吹かず、外せるケースや塗装できる部品として作業します。開口部、端子、ボタン、カメラ部分へ塗料が入らないようにしてください。

まとめ

ファイヤーパターンは、ラインテープを貼る技術だけでなく、最初に炎の形と流れを作れるかが重要です。

  1. 紙へ基本形を描く
  2. 型を作って形を安定させる
  3. ガイドに沿って細いテープを貼る
  4. 境目を押さえ、薄く塗料を重ねる
  5. 乾燥を急がず、失敗した部分だけを修正する

まずは紙へ描く動画から始め、型作り、ラインマスキング、塗装の順で進めてみてください。下地へ模様を追加したい場合は、グラインダータトゥーのやり方ウォータードロップ塗装のやり方も組み合わせの参考になります。