以前にカスタムペイントしたキャリーバッグを、余っていた水性自動車用塗料のミルクティーベージュで塗り替えた記録です。

細かな端や凹凸はハケ、広い面はローラーを使いました。元のファイヤーパターンが隠れるまで、この作例では乾燥を挟んで3回ほど塗り重ねています。

リペイント前のファイヤーパターンが塗られたキャリーバッグ
リペイント前。画像をクリック/タップすると拡大できます。
先に確認
キャリーバッグの表面は樹脂・布・金属など製品によって違います。この記事は、すでに塗装されていた私物へ水性自動車用塗料を重ねた一例です。同じ塗料がすべてのキャリーバッグへ密着するとは限りません。目立たない場所で素材の傷みと密着を試し、換気・手袋・塗料に合う保護具を用意してから作業してください。

今回使ったものと作業の流れ

  • 水性自動車用塗料(ミルクティーベージュ)
  • ハケ
  • 短毛ローラー
  • マスキングテープと養生材
  • 足付け用の研磨材
  • 表面と塗料に合う脱脂剤
  1. 塗る面と元の塗膜を確認する
  2. ファスナー・ゴム・車輪などをマスキングする
  3. 足付けし、削り粉と油分を落とす
  4. ハケで端やローラーが入らない部分を塗る
  5. ローラーで広い面を薄く塗る
  6. 乾燥を挟み、下地が目立たなくなるまで重ねる

今回使った塗料は、車をハケとローラーで塗ったときの残りです。塗料の扱いと車での塗り方は、車をハケ・ローラーで塗装した作例で詳しく紹介しています。

1.元の塗膜を確認する

今回は何も塗られていない新品ではなく、ファイヤーパターンが塗装されたキャリーバッグでした。旧塗膜がしっかり残っている面は、全面を無理にはがさず、表面の段差をならして上から塗る方針にしました。

浮いている塗膜や簡単にはがれる部分を残したまま上塗りすると、その下から一緒にはがれる可能性があります。反対に、密着している塗膜を無理にはがそうとすると、今回のように表面へ凹凸を作ることがあります。

2.塗らない部分をマスキングする

ファスナー、ゴムの縁、持ち手、車輪など、塗料を付けたくない場所を覆います。境目は塗装面へテープが入り込みすぎないようにしながら、隙間を作らず貼ります。

キャリーバッグのファスナー周辺をマスキングした状態
ファスナー周辺の境目をマスキング。
キャリーバッグの縁をマスキングした状態
ゴムの縁にも塗料が入らないように保護します。
キャリーバッグの車輪をマスキングした状態
車輪や可動部も覆います。

3.足付け後に削り粉と油分を落とす

マスキングしたあと、塗る面全体へ足付けを行います。目的は元の模様をすべて削り落とすことではなく、表面のツヤを落として新しい塗料が密着しやすい状態を作ることです。

足付け後は削り粉を除き、表面と使用塗料に合う脱脂剤で油分を拭き取ります。「シリコンオフなら何にでも使える」と決めず、目立たない場所で表面が白くなる、柔らかくなる、溶けるなどの変化がないか確認してください。

脱脂剤は作業量で選ぶ

一度の小さな作業ならスプレータイプ、塗装を繰り返すなら1Lタイプが使いやすくなります。どちらも素材への適合を確認し、液を大量にかけずウエスへ取って拭きます。

SOFT99 99工房 シリコンオフ 09170

SOFT99

99工房 シリコンオフ 09170

一度の作業や小さな範囲に使いやすいスプレータイプです。

脱脂職人 シリコンオフ 1L

守本塗料

脱脂職人 シリコンオフ 1L

塗装作業を繰り返す場合に量を確保しやすい1Lタイプです。

4.端と細部をハケで塗る

塗料が分離している場合は底からよく混ぜます。ハケへ塗料を含ませたら余分を落とし、ローラーが入らない縁や凹凸から塗ります。

1回目で元の模様を完全に隠そうとせず、薄く塗料を置く程度で進めます。最初から厚くすると、垂れや乾燥不足、ハケ跡が残りやすくなります。

ハケでキャリーバッグの端を塗っている状態
ローラーが入りにくい部分を先にハケで塗ります。
キャリーバッグへ1回目の塗料を薄く塗った状態
1回目は下地が透けていても厚塗りしません。

5.広い面をローラーで薄く塗る

1回目を乾燥させたら、広い面はローラーで塗ります。塗料を一度に多く付けず、面へ配ってから薄く伸ばします。最初は塗料を全体へ行き渡らせ、最後はローラーの方向をそろえると表面を整えやすくなります。

ローラーで2回目を塗ったキャリーバッグ
2回目の途中。まだローラー跡と元色の差が残っています。

6.乾燥を挟み、色がそろうまで重ねる

表面のツヤが引き、軽く触れて塗料が付かない状態は次の塗装へ進む目安の一つです。ただし、表面が触れる状態と塗膜全体の乾燥は同じではありません。気温・湿度・塗膜の厚さで変わるため、使用塗料の乾燥時間も確認します。

このキャリーバッグは濃いファイヤーパターンの上から塗ったため、3回ほどで色がそろいました。必要な回数は元の色・塗膜・ローラーへ付ける量で変わります。「新品なら2回」と固定せず、乾燥後の透けとムラを見て判断します。

ローラー塗装を重ねて色がそろってきたキャリーバッグ
塗り重ねて元の模様が見えにくくなった状態。

古い塗膜を無理にはがして失敗した部分

元のファイヤーパターンが簡単にはがれると思い、一部だけはがそうとしました。しかし旧塗膜はしっかり密着しており、途中だけ削れたことで表面へ段差と凹凸が残りました。

その後は段差を削り、塗装を重ねて目立ちにくくしましたが、完全に平らには戻りませんでした。古い塗膜が安定しているなら、全面を無理にはがすより、浮いた部分だけを処理して段差をならす方が作業を増やしにくいです。

今回一番時間がかかったのは塗り重ねではなく、途中だけ旧塗膜をはがして作った段差の修正でした。

完成と仕上がり

ミルクティーベージュへリペイントしたキャリーバッグの完成状態
ミルクティーベージュへ塗り替えた完成状態。画像をクリック/タップすると拡大できます。

元の派手なファイヤーパターンは隠せました。一方、表面にもともとの凹凸があり、途中ではがそうとした部分の影響も残ったため、この上へ細かなカスタムペイントを追加するのは見送りました。

ローラー塗装は広い面の色を変えるには使えますが、下地の段差まで消してくれるものではありません。最終的な見た目は、塗る前の表面をどこまで平らに整えられるかで変わります。

まとめ

キャリーバッグのリペイントは、動く部分をマスキングし、安定している旧塗膜へ足付けしてから、ハケとローラーで薄く塗り重ねる流れです。

  • ハケは縁とローラーが入らない場所に使う
  • 広い面はローラーで薄く伸ばす
  • 回数を決めず、乾燥後の透けとムラを見て重ねる
  • 密着している旧塗膜を無理にはがさない
  • 素材と塗料の相性は目立たない場所で試す

ファイヤーパターン自体の描き方を見たい場合は、ファイヤーパターンの描き方も参考にしてください。小さなロゴだけをスプレーで塗り替えた例は、エアフォース1のロゴを染めQで塗った記事で紹介しています。